平成29年度第2回産業用クラウドスパコン利用推進協力会(賛助会員交流会)開催のご報告
平成30年3月1日(木) 「平成29年度第2回 産業用クラウドスパコン利用推進協力会(賛助会員交流会)」 を、北陸先端科学技術大学院大学 東京サテライトにて開催いたしました。今回36名の方にご参集いただきました。
* 只今 「 平成30年度FOCUS賛助会員 」 を募集しております。
詳しくは、こちら をご覧下さい。
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≪ 内 容 ≫
1.財団からの情報提供 (計算科学振興財団)
財団からは、平成29-30年度FOCUSスパコン利用契約・利用料の改定ポイントと財団活動等につき報告しました。
2-1.FOCUSスパコンユーザによる事例紹介1
ご講演:産業向けプリンタ用ヘッド開発に活かすインク飛翔解析(セイコーインスツル株式会社)
セイコーインスツル(株)からは、産業用インクジェットプリンタの製品開発に向けてFOCUSスパコン等を活用し、特に現象の可視化、飛翔挙動を捉えるシミュレーション技術を立上げられた事例報告がありました。インク滴を飛翔させる過程において様々な物理現象が同時に起きており、与えた条件と実挙動の関係を把握することが非常に難しいため、従来は実験と試作の繰り返しであった事、またインクジェットヘッドの構造や流体の挙動を3次元で時間・空間的に解像度を上げる場合には相応のハードウェアが必要であり、このため外部HPC計算資源を活用した経緯説明がありました。
2-2.FOCUSスパコンユーザによる事例紹介2
ご講演:FOCUSスパコン上での流体解析におけるiconCFDの並列性能(続編)(三菱電機株式会社)
三菱電機(株)からは、FOCUSスパコンにおいてオープンソースベースの汎用CFDソフトウェア(iconCFD)の並列性能ベンチマークテスト結果の報告がありました。昨年の報告(A/D/Eシステム)に続き、今回報告(F/Hシステム追加)にて主要システムを網羅した総合評価が出揃いました。解析対象はiconCFDの標準ベンチマークで用いられているレーシングカーモデルの外部流れとして、メッシュ数・並列数を変更し、繰り返しの計算時間で比較した測定結果が示されました。また、コア数とメモリ容量とのバランス効果やスケーラビリティ等についても詳細ベンチマーク値の報告がありました。
3.産学官連携プログラム (国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学:JAIST)
前園教授からは「第一原理計算の産業応用と材料情報科学展開」と題して、マテリアル・インフォマティクスを軸にシミュレーション研究の新たな取組として「新しいタイプの産学連携」の提示がありました。JAISTの特色であるスパコン資源と大きく変貌を遂げたナノテクシミュレーションを「産学連携のための資材」と捉え、産業界と共栄を目指した「産学協働」を提案されました。纏めとして、ナノモデリング、材料情報学への展開および経歴不問の人材育成が鍵であるとの指摘がありました。具体的事例紹介もあり、参加企業にとって有意義な産学連携メッセージでした。
続いて、産学官連携推進センター事業として北陸発の産学官金マッチングイベント「Matching HUB」の紹介と実績報告がありました。
4.ネットワーキング
東京で初めての賛助会員交流会開催となり多数ご参加いただき、講師・会員相互の交流・情報交換等を図っていただきました。
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今後も賛助会員の皆様の交流やご意見を頂戴する場として本会を定期的に開催するとともに、「京」をはじめとするHPCIが産業界にとって利用しやすい制度となるよう産業界の意見聴取・集約や提言等に積極的に取り組んでまいります。