産業利用への環境整備
HPCIコンソーシアムへの参画―産業界からの意見を集約し提言します
「京」と国内の計算資源を連携して利用するための「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」が構築され、運用が進む中、「一般社団法人HPCIコンソーシアム(※1)」は、全国の計算資源とユーザコミュニティを繋ぐHPCIシステムの整備と運用、またその改善に関わる意見集約・提言活動を行っています。
当財団は、産業界コミュニティの代表機関としてHPCIコンソーシアムに参画し、FOCUS賛助会員(※2)の交流会などを通じて把握した企業の意見を集約・提言するなど、「京」を中核とするHPCIシステムが産業界にとって利用しやすい仕組み・システムとなるような活動を行っています。

※1 一般社団法人HPCIコンソーシアムについて、詳しくはこちらをご覧ください。
※2 FOCUS賛助会員について、詳しくはこちらをご覧ください。
「京」の実利用にあたって―産業界からの要望が実現しました
「京」の供用にあたって、一般財団法人高度情報科学技術研究機構(RIST)(※3)が登録機関(※4)の業務を行っています。
当財団では、同機構と連携協力協定を締結し、互いが有する知見や強みをいかして「京」を中核とするHPCIの産業利用促進を図っています。
(協定締結日:平成24年4月1日)
産業界のニーズに対応した利用形態を提供
- 「京」の利用可能な計算資源の15%程度(FOCUSスパコンの約4.5倍)を、産業利用分として割り当て
- トライアル・ユースをはじめ、実証利用(成果公開、無償)、および個別利用(成果非公開、有償)の3種類の利用方法
- 中規模並列での利用(200ノード以上)(※5)や、知的財産権の取得を行う課題の公開延期
※3 一般財団法人高度情報科学技術研究機構については、こちらをご覧ください。
※4 登録機関: 国や研究機関が設置する大型研究基盤施設(「京」を含む)の利用者選定や利用支援などの業務を行う機関
※5 1ノードは8コア
「京」の産業利用における利用方法の種類
産業界のために、トライアル・ユース制度が設けられています。
各社の利用課題に「京」が適用可能かを判断した後に、本格利用(実証利用・個別利用)を行うことができます。
利用研究課題の種類 | 特徴 | 公募回数 | 利用費用 | 成果公開 |
トライアル・ユース | 自社の課題をHPCI共用計算資源で試行し、利用可否を判断 | 随時受付利用期間は6か月 | 無償 (最大5万ノード・時間積の制限有) | 公開 (システムの利用情報、システム情報および成果が得られなかった場合の理由) |
実証利用 | 高並列シミューション技術の有効性・有用性を自社の産業課題で実証 | 年2回 | 原則無償 | 成果報告書により公開 (利用者名、利用目的、成果概要、実施期間、ソフトウェア利用情報、システム情報等)成果に基づく特許、論文発表、学会発表の実績リスト等 |
個別利用 | 機密性の高い自社の産業課題を自社の費用負担で実施 | 随時受付利用期間は最長1年 | 有償 | 成果の内容(利用目的や成果概要など)は非公開 |
- トライアル・ユースの実施後の個別利用や、最初から個別利用など、各社のニーズに合致した形態で、利用申請を行うことができます。
ご利用についてはこちらをご参照ください。
「京」トライアル・ユース利用研究課題募集案内はこちらをご覧ください。
企業においては「京」の一般利用のほか、「京」以外のHPCI共用計算資源の産業利用が可能です。
HPCIアクセスポイント神戸を設置
アクセスポイントは、「京」を含むHPCIの産業利用のために関東と関西の2ヵ所に設置されたHPCIシステムの利用拠点です。
『「京」施設内と同様の動作環境で、秘匿性を保ちつつ「京」を利用したい』といった産業界のニーズに対して、理想的な「京」の利用環境の構築・提供を目指しています。
- 「京」と高速回線で直結した利用端末とワークステーションを利用できます。
- 作業用個室には、電子錠と物理錠の二重の扉を配し、部外者の侵入を24時間モニターで監視。高いセキュリティを確保。
- 専門の技術スタッフが常駐し、きめ細かな利用支援が受けられます。
HPCIアクセスポイント神戸について、詳しくはこちらをご覧ください。