ご挨拶

計算科学振興財団は、理化学研究所の「京」をはじめとするスーパーコンピュータの産業利用の促進を図るため、産学官の連携協力により2008年に設立されました。
「京」は2019年8月に運用を終えましたが、後継機である「富岳」の開発・整備が最終段階を迎えており、世界中で猛威を奮う新型コロナウイルスの研究・対策のための試行的利用がすでに始まっています。
一方で、関西には「富岳」だけではなく、大型放射光施設の「SPring-8」やX線自由電子レーザーの「SACLA」等、世界に誇る先端科学技術施設が集積しており、国内外の企業や大学・研究機関がこれらを活用することによって、経済、社会に大きく貢献するようなイノベーションを創出することに大きな期待が寄せられています。
当財団は、2011年4月に活動拠点である高度計算科学研究支援センターを「富岳」(当時 「京」)の隣接地に開設し、FOCUS スパコンやHPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)の利用拠点などのハード面に加え、サポート体制などソフト面の機能も充実させています。
産業界におけるスパコン利用は着実に進んでおり、2021年には「富岳」の共用開始が予定されています。スパコンへの期待が一層高まる中、当財団ではスーパーコンピュータの産業利用の推進にこれまで以上に取り組んでまいります。
公益財団法人計算科学振興財団
理事長 秋山 喜久