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FOCUSスパコン利用者様の声_株式会社神戸製鋼所

  

動作検証済ソフトウェアが多かったこと、他の企業様の利用実績も多かったことが決め手になりました。

 

『自作プログラムを用いた際は、コンパイルに苦労しましたが、技術担当の方に根気よくご対応いただきサポートの良さを実感しました。

   

  


株式会社神戸製鋼所様でアンケートとインタビューに回答していただいたのは、技術開発本部 応用物理研究所 物性制御研究室 主任研究員 森田 晋也 様です。原子レベルのシミュレーションにFOCUSスパコンをご利用いただきました。初めての外部サーバー利用がFOCUSスパコンだったこともあり、当初は苦労されたこともあったようです。そのような経験を率直にお話しいただきました。

  

FOCUSスパコン利用前に抱えていた課題

計算科学やマテリアルインフォマティクスを用いた材料開発を取り組んでいく際に計算環境の立ち上げが大きなネックでした。新たに計算機サーバーを導入するにもコストがかかりますし、部署内では知識や経験を持つ者もなく環境構築を含めてゼロから立ち上げるのも大変です。本来の計算業務に集中したいため、環境構築やサーバー管理にかかる作業負荷を減らしたい考えがありました。最初は必要な計算資源や計算量も把握できていなかったため、まずは使用した時間や計算量に応じて費用が発生する従量制のサービスを利用することを考えました。

FOCUSスパコン選定の理由・決め手

計算科学振興財団は当時のスーパーコンピュータ「京」や産業分野向けにスパコン利用サービスをされていることから、当初より候補のひとつとして考えていました。民間のスパコン利用サービスとも比較しましたが、動作検証済みソフトウェアが多かったこと、他の企業様の利用実績も多かったことが決め手になりました。

苦労した点や工夫した点

FOCUSスパコンにはハードウェア構成として特色の異なる様々なシステムがあり、使用しているソフトウェアに対してどのシステム、条件が最も効率がよいか模索しました。実際にやってみるとシステムによって費用対効果等に差があることがわかりました。はじめはどのシステムを選択するか迷うので、システムがより分かりやすく分類・整理されていると初心者にとって使いやすいかと思いました。自作プログラムを用いた際は、コンパイルに苦労しましたが、技術担当の方に根気よくご対応いただきサポートの良さを実感しました。

また、外部サーバーの利用が初めてでしたので、接続(VPN、SSH)については苦労しました。今では環境構築やソフトウェアのインストールも自分たちで問題なくできるようになっています。

利用の成果と今後の展望

第一原理計算や分子動力学法といった原子レベルのシミュレーションにFOCUSスパコンを用い、鉄鋼材料・金属材料の粒界偏析・脆化や水素脆化に関する計算等を行いました。 研究開発を進めるうえで有用な知見が得られています。原子レベルの現象と実際に観測されるマイクロ~ミリメートルには大きな差があり、この間を埋めるマルチスケールのシミュレーション技術の開発や活用にも目を向けています。

FOCUSスパコンの評価

インストールしたソフトウェアは問題なく動き、計算時間も満足いくものです。時期による混雑の差もあまりなく、コマンドにより空いているノードが一目でわかるため、すぐに計算を投入できるところもよい点です。計算量が増えるとともに気になるのが従量利用の計算単価であり、価格に関してもご検討いただきたいと思っております。

FOCUSスパコンに今後期待すること

スーパーコンピュータ「富岳」を利用してみたいです。「京」から「富岳」に変わって使いやすさが大きく改善されたと伺っておりますし、現在行っているシミュレーションを大規模化する上でプログラム等の変更なく移管できればうれしいです。FOCUSスパコンから「富岳」にステップアップされた事例など今後ご紹介いただければと思います。

 
以上の内容は、アンケートの回答とインタビューをまとめたものです。(2021年7-8月実施)
   
   

株式会社 神戸製鋼所
技術開発本部 応用物理研究所
物性制御研究室
主任研究員 森田 晋也 氏
  
  


   

インタビューを終えて

実験と計算機シミュレーションを併用することが多いので、社内の実験に携わっている方々と結果の比較などについてよく話をされているとか。シミュレーション業務を進める上で、他の業務の方と連携することを大切にしているそうです。
また、FOCUSスパコン利用にあたっては、財団主催のFOCUSスパコン利用講習会やソフトウェアの講習会に参加され、参考になったと、お聞きしました。今後は、「富岳」を利用するための講習会があれば参加されたいとの希望もあり、財団には、ハードウェアの提供のみならず、ソフト面でのサービスの充実が重要であることも実感しました。


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